子供の将来を予想できるマシュマロ実験という有名な実験があります
実験内容は以下のようなものです
- 4歳から6歳の子どもを個室に入れ、研究者が机にマシュマロを置く
- 「今食べてもいいが研究者が戻ってくるまで待てばもう一つ追加であげる」と説明する
- 説明後に研究者が退出して十五分間子供をマシュマロがある部屋に一人で残す
このように子供の自制心を測った上でその後40年にも渡って追跡調査を行ったところ
マシュマロを我慢できた子供ほど将来的に優秀な成績、社会的成功を手にしていたという研究です
この実験は非常に教訓めいているので「だから子供のころから教育することが大事なんだ!」と
英才教育の重要性を語る文脈などでも語られます
しかし残念ながらのちの研究でこの実験結果は誤りだったのではないかと指摘されています
マシュマロを我慢できるかどうかはそもそも家庭環境や教育の要因が大きく
貧しい家庭や大人が信用できない環境で育った子供はすぐにマシュマロを食べてしまい
経済的に恵まれた子供たちはマシュマロを我慢できることが多かったというわけです
経済的に豊かな家庭で育ったり、しっかり教育を受けていた子供の方が
その後の人生で成功確率が高いというのも当然でしょう
このように当初の実験結果自体はやや信頼性に欠けますが
面白い実験には違いなく、その後もマシュマロ実験から派生した実験も行われています
その中でも日本人とアメリカ人の子供を対象にした実験で面白い記事を見つけました
「マシュマロ実験」は日本と海外では文化が違うので結果も変わってくる
https://gigazine.net/news/20250218-how-culture-affects-marshmallow-test
記事の内容を簡単に要約すると
日本とアメリカの子供にマシュマロ実験と同様の実験を行ったところ
アメリカ人の子供の大半が4分も待てなかったのに対して
日本人の子供は15分待つ選択をしたというものです
これだけ聞くと日本人の方が自制心があると勘違いしそうですが
今度は条件を変えてマシュマロの代わりに包装されたプレゼントで同じ実験をしたところ
日本人はすぐに開けてしまいアメリカ人の子供は待つという真逆の結果が表れたそうです
原因としておそらく日本文化では食事はそろって食べる習慣があるため
日本人の子供はマシュマロを待つ事に耐性を持っており
逆にアメリカではプレゼントはパーティーの最後に開けるため
アメリカ人の子供はプレゼントを待つ事に耐性を持っていたことが考えられるそうです
こうなってくるといよいよマシュマロ実験の結果から子供の将来を占う事は難しそうですが
大人の私たちにとってはある種の朗報ともいえます
二つ目の実験から分かる事として元々の自制心の強さに個人差はあるとしても
習慣や訓練によって後天的に自制心を高めることができるという証明にもなるからです
ついつい自堕落に時間を過ごしたり食欲に負けてしまった後で
自分は意志が弱いんだと落ち込むことがありますが
今からでも習慣づけることで自制心を鍛えることができると思うと救いがあります
全員が席に着いてから「いただきます」と言って食べ始めるように日常の習慣レベルに落とし込めば
子供でもお菓子を我慢できるようになるのであれば意志の弱い自分でもなんとかなる
そう思わせてくれる実験結果だと感じました
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