投資対象としての仮想通貨が抱える大きな矛盾

全ての記事

本日多くの仮想通貨が全体的に大きく下落し
代表ともいえるビットコインは24時間で5.54%の下落
最高値を付けた先月下旬からすると27%近い下がりっぷりです

これは仮想通貨に好意的とみられたトランプへの期待で上がっていた相場が
就任後は目立った政策はなく逆に関税問題や金融引き締めなどの
マイナス材料が出たためだと言われています

相場は水物なので今後さらに下がるか反発するかはわかりませんが
短期の上下はともかく本質的に仮想通貨が抱える投資対象としての矛盾が気になります

その矛盾とはズバリ「通貨としての価値と投資対象としての価値が相反する」という点です

そもそもビットコインが通貨として優れている点として以下のようなものがあります

・個人間で直接送金可能
・送金手数料が安い
・国を跨ぐ送金も可能

これらは例えば出稼ぎ労働者が自国の家族に送金する手段としては
現行の制度よりも優れているため仮想通貨黎明期から評価されていました

また日本だとあまり実感が湧きませんが世界には銀行口座を持てない人も多く存在しており
そういった人たちの新しい貯蓄・決済手段としても期待されていました

ですが現状ではそういったメリットを遥かに上回るデメリットがいくつも存在します
その中でも一番分かりやすいデメリットは大きな値動きでしょう

冒頭でも一日で5.54%下落と紹介しましたが仮想通貨の世界は株式よりはるかに値動きが大きく
良くも悪くもこういった値動きの幅は珍しくありません

暴落を何度も経験しながらも数年で圧倒的に値段が上がっていますが
それは同時に通貨に求められる「価値の保存」という役割からは逸脱していることを意味します

通貨としては多少の為替の動きはあれどある程度落ち着いた価格推移が求められる一方で
今現在、仮想通貨が投資先として人気になっている理由はその大きな値動きにあります

つまり仮想通貨は穏やかな値動きになって初めて通貨としての価値を持ちますが
そうなると今度は投資商品として今ほどの魅力がなくなってしまう訳です

極論すると現状は値上がりをしているから値上がっている状態であり
本来価値の根拠となるはずの通貨機能が安定すると逆に価値が下がる可能性を秘めています

私も数年前に仮想通貨を買っていたこともありますが
この矛盾点に対して納得する答えを見つけられなかったこともあり
仮想通貨から一切手を引きました

初期であればまだ認知が低く適正価格まで上がっていないだけという考えも出来ましたが
それなりに時間が経った今でも本質としての価値ではない投機目的で上がり続けている以上
そもそもこれといった適正値が存在するかも怪しい所です

ある意味で金や通貨も似た部分はありますが金は希少性だけでなく実用性もありますし
通貨は発行体である国がその通貨で税金を徴収するなど権威付けが行われています

母体を持たない仮想通貨はあまりにも独立した存在であるがゆえに
適正価格というものが存在しないといえるでしょう

適正価格がないということは価格が上がり続ける理由になる一方で
際限なくどこまでも下がるリスクと表裏一体です

それでも株価が上がり続けているのと同じで問題ないように思うかもしれませんが
通貨は株式を発行する企業と違ってそれ自体は利益を生み出しません

であればその機能面が本質的な価格を決める要因となるはずですが
現状通貨としての体を成していないのは上記のとおりです

税制上の問題点など他にも投資に向かない理由は多いですが
少なくともこの矛盾に自分なりの反論がなければ仮想通貨への投資はお勧めできません

数年前投資していた際それなりに真面目に調べても私には答えが出せなかったので
もし反論などあれば皮肉などではなくぜひ知りたいと思っています

意見があればお問い合わせなどから送ってもらえれば幸いです

コメント

タイトルとURLをコピーしました